- Iターン
碓井俊丞さん、真理子さん -
- 出身地神奈川県(夫)、東京都(妻)
- 現住所男木島
- 移住年2022年
- 仕事会社員(夫・妻)
転職しないで叶えた離島移住。 人の温もりと自然に包まれた小さな島暮らし
テレワークが憧れの田舎暮らしを後押し
真理子さん:瀬戸芸で訪れ、島の風景や人の温かさに心打たれた男木島に、10年ぶりに家族で再訪した時のこと。お昼を食べたお店の女将さんに「あなたたち、この島がとっても似合っているから、移住してくれば?」と声をかけられたんです。もともと田舎暮らしに漠然とした憧れはあったのですが、現実的に難しいと思っていました。でも考えてみれば、当時ちょうどコロナ禍で、夫婦2人とも東京の自宅でテレワークをしていたし、もう首都圏に縛られる必要はないんだと気づかされたんです。男木島は光海底ケーブルが通っているし、コワーキングスペースもあり、リモートワークがしやすい環境が整っていたのも良かったです。
俊丞さん:移住を決意したのが2021年の冬。次の春が息子の小学校入学のタイミングで、そこに合わせたかったので、3か月で一気に準備を進めました。移住に対して、不安はゼロではなかったですが、どうにかなるだろうという思いの方が強かったですね。
ゆったりとリラックスできる島の生活
真理子さん:農協の商店や診療所、学校などあらゆるものが徒歩圏内に収まっていて、思いのほか便利です。必要なものは通販でも購入できるし、フェリーで高松にもすぐ行ける。たまに東京へ出社しても、朝7時に島を出て昼には会社に着いています。それなりに田舎暮らしへの覚悟はしていましたが、思ったより不便さを感じずに暮らせています。
俊丞さん:仕事の休憩時間に、島をふらっと散歩したり楽器を弾いたり、裏の畑の手入れもできます。デスクワークでストレスが溜まっても、それだけで心が癒されるんですよ。景色も空気もきれい、そして静かでゆったりとした時間が流れています。
真理子さん:東京では、自宅のすぐそばに車通りの多い道路があって、すごくうるさかったので、息子も外の音を怖がり、夜も安心して眠れないようでした。でも今はとてもよく眠るようになりましたね。
子どもは島の宝物という風土がとても幸せ
真理子さん:男木島には、社会全体で子育てをするという風土が残っています。どの年代の人も子どもをすごく大切に見守り、時には指導もする。そういう社会と子どものあたたかい関係が、とても幸せだなと感じています。教育環境も、豊かな自然に囲まれながら、子どもの個性を尊重できる校風は、我が家の価値観に合っていると思いました。
俊丞さん:移住に際して大切なのは、自分たちのライフスタイルや価値観に対して“デメリットが大きすぎないこと”なんじゃないかなと思います。男木島の場合は、生活のトラブルも基本的には自分たちで解決しなければいけませんが、家のDIY、家庭菜園、釣り、山菜採り…そういう一つひとつに興味を持って、やってみようと思う気持ちがあれば何とかなるものだし、毎日がとても豊かで楽しいものになると思います。