V O I C E O F S E T T L E Rセンパイ移住者

若宮武さん
Uターン
若宮武さん
  • 移住年2012年
  • 仕事ゲストハウス「若葉屋」

生まれ育ったまちに帰るという選択

「10年離れていたとは言え、18年住んでいましたから。自分としては1番分かっている地域。帰ってきても、ギャップは無かったですよ」

次男を抱き抱え、元気な盛りの長男の相手もしながら、優しい口調で語る若宮武さん。高校卒業後、大阪、名古屋、そして海外での生活を経て、2012年に生まれ育った故郷の高松に帰り、生活を始めた。高松市内のホテルでの勤務を経て、2014年にゲストハウス「若葉屋」を開業して現在4年目になる。奥さんの裕香さんは神奈川県横須賀市の出身で、2012年に結婚を機に高松に移住した。


UターンとIターン、夫婦それぞれから見た高松というまちの印象


武さん「帰る前とのギャップはありませんでしたが、敢えて言うなら、高校生のときに暮らしていた頃より『高松、頑張っているな』という印象です。瀬戸内国際芸術祭、北浜アリー、直島、仏生山など。商店街も、映画館が無くなったり衰退していた印象でしたが、持ち直したかなという感じがします。自分の生まれ育ったエリアには、あまり変化はありませんが」


裕香さん「高松というとすごく田舎のように思われるかもしれませんが、横須賀より断然都会だと思います。横須賀は、横浜に行けば何でもありますが、だからこそ横須賀には店舗や商品がないということも結構あります。四国の中に大きいお店を構えるとなると高松か松山なので、横須賀よりむしろいろいろなものがあるなという印象です」



職住近接、そしてあらゆるものが「近い」


武さんはゲストハウスと自宅が隣接し、また裕香さんも自転車で通勤しているため、夫婦共に職場と住居がとても近い。「職住近接」は、移住そしてゲストハウス開業時に夫婦で望んでいたことであり、そのメリットは極めて大きいと語る。

武さん「職住近接のメリットは、とても大きいと思います」

裕香さん「1時間かけての通勤、電車での通勤というのは、今考えるととても・・・・家事と育児が進まないと思います。電車に乗せて保育園に送るというのも大変です。ここは保育園もとても近いですね」

武さん「ここは基本的に何でも『近い』ですね。役所も、駅も、銀行も、職場も、スーパーも、学校も、保育園も。徒歩や自転車で子どもの送り迎えもできますし、満員電車にも乗らなくて良い」

裕香さん「私たちは車を持っていないんですが、全て車が無くても行けます。自転車もとても乗りやすいまちです。車を持っていないことは、他所から見たら不思議なのではないでしょうか」

武さん「ちなみに、自転車で少し行ったところに両親が住んでいて、両親と車を共有しています。少し遠いところに行くときは自転車で車を借りに行きます」



「近い」のはハードだけではない


裕香さん「祖父母が近くにいるというのはとても楽ですね」

武さん「あと驚いたのは、何か用事があって出かけると、ほぼ間違いなく誰か知り合いに会うということです。大阪・名古屋で暮らしているときには無かったことですね。近所の人も声をかけてくれますし、まちに住んでいる感じ、まちのメンバーだという感じがあります。大阪・名古屋で暮らしているときはそもそも距離感を縮めようというつもりがなかったのですが、今の仕事はいろいろなところに顔を出したりする必要もありますし、個人的にそれをおもしろいなと思っています」

裕香さん「全部が近い感じです。人も含めて。全く不便はないです。大学も就職も関東だったので、最初は友達も少なかったのですが、今は地元のママの会等を通じて友達もできてきました。子育て支援も充実していると思います。支援センターのような、無料または低価格で子どもを遊ばせられて、保育士さんもいるような施設が多くあり、また歩いても行けます。公園も多いです。子どもが育てやすい環境なんだろうなと思います。都会で子育てする場合は、3人目・4人目の子どもは難しいのではないでしょうか。まず電車で保育園に通っている時点で厳しいように思います。今は保育園にもすぐに行けますから。高松に来てみて、子どもが4人など多くいる家庭を、東京よりよく目にする感じがします。あとは、病院もとても多いと思いますね」


「ちょうどいい」まち、高松


最後に、武さんに、いろいろなまちを経て帰ってきた故郷・高松のまちの良さを改めて聞くと、

「ちょうどいい」

という答えが返ってきた。
高松は、程よく都会で、程よく田舎だ。田舎に行くと人間関係が窮屈だと言う声も聞かれるが、高松は田舎ほど窮屈ではなく、都心部ほど疎遠ではなく、程よくオープンな距離感にある。日本一面積の狭い県ではあるが、だからこそ生活に必要なものはすべて近くにあり、市内の中心部にも自転車で行けておしゃれな店舗も飲食店もたくさんある。有名なアーティストのライブは見られないかもしれないが、いざとなれば大阪も東京も近いし、直行便も豊富で海外へのアクセスも悪くない。
そういう意味で、高松はとてもバランスの良い、「ちょうどいい」まちなのだと思う。若宮さん夫妻は、高松の暮らしに「満足している、何も不自由はない」と笑顔で答えてくれた。高松の「ちょうどいい」という個性、何かが突出しているわけではない分評価はされにくいかもしれないが、この絶妙なバランスの良さは高松の大きな魅力であることは間違いない。


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